コラム 2025.09.05

理学療法士による 徹底サポート 安心介護リハビリプラン

◎保険リハビリの限界!ご家族が抱える「あと少し」の切実な願い 

少子高齢社会の進展に伴い、介護を必要とする高齢者の数は年々増加しています。それに比例して、在宅介護を担うご家族の負担も大きくなっています。

介護の現場で最も多く聞かれる声の一つに、「本人の足腰を少しでも元気に保ちたい」「寝たきりを防ぎたい」という切実な願いがあります。

その思いに応える専門職として、理学療法士の役割はますます重要になっています。

私は大学で理学療法学を教育・研究する立場から、医療保険や介護保険制度に基づくリハビリだけでは十分に対応できない領域があることを日々痛感しています。

そこで注目されているのが「自費リハビリ」「保険外リハビリ」と呼ばれる新しい形の介護リハビリです。

本稿では、理学療法士による徹底したサポートの可能性と、安心して継続できる介護リハビリプランのあり方について解説します。

理学療法士が担う「介護リハビリ」の専門性

理学療法士は、身体機能の維持・改善に特化した専門職です。

単なる運動指導者ではなく、解剖学・運動学・病態学に基づいて「なぜ動けないのか」「どうすれば安全に動けるのか」を科学的に評価し、最適なリハビリを提供します。

介護の場では、関節のこわばりを防ぐストレッチや、筋力維持のための簡易運動、転倒予防のためのバランス訓練などが重要となります。

これらを“ご本人の体調や生活環境に合わせて”組み立てることこそ、理学療法士の専門的サポートの真髄です。

○安心 介護リハビリプラン 3つの専門サポート

それでは、理学療法士による「安心介護リハビリプラン」を実現するためには、どのような視点が必要でしょうか。

私は以下の3点が特に重要だと考えています。

1.個別評価に基づくプログラム設計

一人ひとりの身体状況、既往歴、生活環境を丁寧に評価することが出発点です。

単なる体操メニューではなく、「なぜその運動が必要か」を明確に説明することが、ご本人や家族の安心につながります。

.介護者へのサポート体制

介護リハビリは高齢者本人だけでなく、介護を担うご家族にとっても負担の少ない方法であることが不可欠です。

理学療法士が「介助の仕方」や「安全に動かすコツ」を指導することで、介護のしやすさが格段に向上します。

.継続可能な仕組みづくり

リハビリは一時的な介入では効果が長続きしません。自宅でできる運動を提案し、習慣化を支援することが重要です。

さらに、必要に応じて自費リハビリや保険外サービスを組み合わせることで、途切れないサポート体制を築けます。

○大学教育・研究から見た「質の高い自費リハビリ」の未来

大学で教育・研究に携わる立場から見ても、「保険外リハビリ」は理学療法士の専門性を活かす新たなフィールドだと感じています。

医学的根拠に基づく運動プログラムを自由度高く提供できるため、予防的な介護リハビリやフレイル対策にも応用可能です。

一方で、制度外のサービスであるがゆえに、質の担保が課題です。

利用者が安心して選べる「質の高い自費リハビリサービス」を社会に根付かせることは、教育者としても大きな使命だと考えています。

 

◎保険の枠を超えて。理学療法士の訪問リハビリが支える「諦めない自費の道」

介護の現場では、「もう少しリハビリをしてあげたいのに、制度では難しい」という声を数多く耳にします。

そうしたギャップを埋めるのが、理学療法士による徹底サポートの介護リハビリプランであり、必要に応じて活用できる自費リハビリ・保険外リハビリです。

介護を受けるご本人にとっては「もう少し歩ける」「転ばずに暮らせる」という生活の質の向上につながり、介護者にとっては「安心して介助できる」という大きな支えになります。

理学療法士は、単に運動を指導するだけでなく、生活を支え、家族を支える存在です。

制度の限界を補いながら、一人ひとりに寄り添った介護リハビリを実現していくことこそ、これからの社会で私たち専門職に求められる役割だと確信しています。