第1回 KEEP UP代表 白坂雅美

元気で長生きするために。
日常に運動を取り入れ、ヘルスプランを立てましょう。

<ACEコラム>では、毎回、高齢者の健康維持に関する専門家の方にご登場いただき、代表の白坂がお話を伺います。第1回は、ウェブサイトリニューアルのご挨拶に代えて、KEEP UPが考える運動の必要性について、白坂の話をお届けいたします。

 

事業の新展開

2005年にKEEP UPを設立し、高齢者向け運動サービスの提供を始めてから13年経ちました。2011年には“リハビリデイサービスポーラスター鵠沼”をオープンし、機能訓練型デイサービスを開始しました。今こそ、デイサービスでの運動プログラムは定着しましたが、オープンした当時、「なぜ高齢者に運動させるのか」と言われることもありました。最近ではようやく、「健康維持のために運動が必要」という考え方が浸透し始め、社会全体の健康志向の高まりを感じます。

KEEP UPでは、これまで主に介護認定を受けられている方を対象にしていましたが、今後はアクティブシニアと呼ばれる50代以上の方を対象に、新たなコンセプトのもとに作り上げた運動プログラム<エイジングケア・エクササイズ(ACE)>の提供を開始します。ACEは、運動機能の維持・改善を目指し、加齢などによる身体機能の低下を予防する運動プログラムです。この新規展開に伴い、この度ロゴマークを新しくし、ウェブサイトをリニューアルいたしました。

 

運動習慣が導く健康な体

「だれもが健康で元気な日々を送るために」。これが、KEEP UPのコンセプト。運動によってエイジングケアし、健康づくりを通して高齢者の方々を笑顔にすることが私たちの願いです。世間には、「運動はスポーツ選手がするもの」、「楽しむだけの運動は価値がない」、という考え方もあります。しかし、毎日歯を磨いて虫歯を予防するように、毎日少しでも体を動かすことで、体の痛いところが今よりも痛くならないようにしたり、健康を維持したりすることが可能なのです。

これまで高齢者施設においては、運動は介護度の重症化を防ぐことを目的に行われていました。私たちは、もう一つ早い段階から取り入れ、入居者の方が少しでも楽しい時間を過ごすためのアクティビティとしての運動を広めていきたいと考えています。それは、運動を習慣化するとケガや病気の予防になり、体が動かしやすくなると、心が晴れやかになり、毎日を楽しく元気に過ごせるようになるからです。また、体に痛いところがあっても、運動によって改善できる場合があります。最近では、運動は認知症の予防になるという研究結果も出ています。

病気やケガ、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態の人に対する運動による改善は、理学療法士も行っています。理学療法士が対応できる範囲と、私たちが対応できる範囲は異なります。現時点では、医療分野、主に理学療法士との連携は取れていないのが現状です。考え方は同じなので、今後何かしらの形で連携できれば、全体のサービス向上につながるでしょう。医療分野として完結しているところに参入するのは困難なことですが、こちらから積極的にアプローチして、高齢者の運動の習慣化に貢献したいと思います。

 

老後の備えにヘルスプランを

今、市町村からの依頼で“転倒防止”や“認知症予防”のための運動指導を行っています。今後は、アクティブシニアの方に健康運動指導士になっていただき、地元の方たちを対象にした体操サークルを開催するなど、地域から運動を身近なものにする広がりが生まれると良いと思います。

体の衰えが出始める、50代から意識して日常に運動を取り入れることは、健康で明るい老後のために必要です。健康志向の高まりに伴い、サプリメントを飲んだり、運動しているアクティブシニアは8割いるという調査結果もあります。50代に入ると老後の楽しみとして、旅行の計画やお金のことなど、ライフプランを立てる方が多いでしょう。けれども、世界一周旅行の計画を立てていても、その時に健康でなければ夢を実現できません。65歳、75歳になったとき、どのような体でいたいのか。元気なうちから健康管理に気を配り、老後の備えとして、ライフプランだけでなくヘルスプランも立てる必要があると私は考えます。

「元気で長生きしたい」と、誰もが思うもの。いくつから始めても、運動によってエイジングケアすることは可能です。KEEP UP は、ACEの提供を通じて、いつまでも健康でいられる体づくりのサポートを続けていきます。