近年、自費リハビリという言葉を聞いたことがある人も増えているかと思います。
自費?保険?保険適用外のリハビリってどういうこと?そんな疑問にお答えします。
◎自費リハビリとは
自費リハビリとは、同じ意味合として「保険外リハビリ」と言われることもあります。
つまり、“保険の適用がされないリハビリ”のことを言います。
自費リハビリの特徴としては、保険適用のリハビリと違ってさまざまな制限がないことがあげられます。
そのため、必要に応じて利用者の状態や目的に合わせたリハビリを受けることが可能なリハビリ、ということができます。
◎保険制度のリハビリとは
まずは保険適用のリハビリとはどのようなものかについて、簡単にご説明します。
公的保険で受けられるリハビリテーションには、「医療保険」と「介護保険」の2種類があります。
○医療保険と介護保険それぞれのリハビリとは
「医療保険」でのリハビリ
医療機関にて病気やケガの治療として低下した機能を回復・改善させることを目的に行います。
例えば、病気の種類に応じて脳血管疾患リハビリ、運動器リハビリ、呼吸器リハビリ~…のように治療的観点から実施します。
「介護保険」でのリハビリ
心身機能や生活機能を維持・向上による、QOL(生活の質)の向上を目的に行います。
老人ホーム等の施設の入所者に対するリハビリのほか、デイサービス等の通所リハビリ、訪問リハビリ等があります。尚、介護保険を利用するには要支援・要介護認定を受けていることが必要となり、医療保険との併用はできません。
これらの保険適用リハビリを受ける際の実際のイメージについて、脳梗塞(脳梗塞とは、脳の血管が詰まることによって、運動や感覚の麻痺、言語障害などの症状が現れる病気)を発症した場合を例に見てみましょう。
○医療→介護へのリハビリテーション移行について
脳梗塞を発症した場合の多くは急性期病院へ入院し、診断と治療を行います。
その後は、回復期病院へ入院し、発症後約4~6か月間の間で、機能改善、ADL能力回復を目指します。一般的にはここまでが医療保険における急性期・回復期といわれる期間のリハビリです。
その後、介護保険(一部医療保険)における維持期・生活期でのリハビリに移っていきます。
介護保険でのリハビリでは、老人保健施設やデイサービス、訪問リハビリテーション等にて、機能の維持と生活の質の向上に向けたリハビリを行います。
「医療保険」でのリハビリと「介護保険」でのリハビリでは、こういった流れで「医療」「介護」それぞれの役割において、それぞれの段階と目的に合わせたリハビリを実施していることになります。
○保険適用のリハビリの限界
医療保険、介護保険での保険適用のリハビリには、制限があります。
医療保険のリハビリには、日数制限があります。
・脳卒中(脳血管が詰まって起こる脳梗塞、脳血管が破れる出血)などの脳血管障害…150日
・高次脳機能障害(脳に障害を受けることで認知機能や行動に影響を与える障害)を伴った重篤な高血管障害…180日
そのため、医療保険においては長期間に渡ってリハビリを受け続けることはできないことになります。
また、入院中に受けられるリハビリについては、そもそも入院日数が短くなってきているという現実があります。
これは、医療技術の進歩(例えばこれまで開腹手術を行っていたものが内視鏡手術で行えることになった等)により長期入院の必要性がなくなったことや、高齢化に伴い入院者数が増加することが避けられない状況を踏まえた国の政策として、入院日数の短期化が図られたことによるものです。
介護保険では、1週間に受けられる時間の制限があります。
介護保険にて訪問リハビリを利用する場合、原則として1回20分の場合は、週に6回まで(退院後3か月は12回まで)という制限があります。
つまり、1週間に120分以上のリハビリについては介護保険では受けられないということになります。
このように2つの保険制度内だけでは、日数や時間の制限からリハビリを必要としている方が受けられない=リハビリ難民がいる、という現状があるのです。

◎リハビリ難民の受け皿としての自費リハビリ
ここまで見てきたようなことから、現在の保険制度だけではリハビリ支援不足ではないか、つまり公的保険制度内だけでは限界がある、リハビリを必要としている人にリハビリが行えていない、ということが問題視されてきています。
そのため、リハビリを必要としているのに受けられない“リハビリ難民”の受け皿のひとつとして、自費リハビリの必要性が高まっています。
自費リハビリは保険適用外のサービスとなるため、日数制限や回数制限がありません。
リハビリを必要としている人が、それぞれの状態や目的に合わせて必要な時に必要な分だけ、受けることが可能です。
ただし保険が適用されない分、費用面の負担は大きくなります。
リハビリにおける今後の方向性の一つとして、医療保険から介護保険へ移行する際には、介護保険を利用しながら自費リハビリのサービスも併用する「混合医療」ならぬ「混合リハビリ」というものが、“リハビリ難民”を救う手段として必要とされ、これから求められるリハビリの姿へなっていくのではないかと考えられています。
◎自費リハビリは第3の選択肢?!
自費リハビリは保険制度内のような日数制限や回数制限がないことから、リハビリを1度にもっと長い時間しっかり取り組みたい、1週間にできるだけ多くの回数を受けたい、期間にとらわれず長く受け続けたい、医療保険や介護保険が適用されないが必要としている…等、リハビリを必要とする人が自分で選択できる手段として、医療保険、介護保険でのリハビリに加え第3の選択肢となるはずです。
リハビリを必要とする人にとって、まずはこういった選択肢があるということを知ることが大切なのだと思います。