コラム 2025.12.10

自費リハビリの費用や利用開始までの流れ

自費リハビリという言葉を聞いたことがあるけれど、どのくらいの費用で受けられるものなんだろう。施設に入居している親が最近自分でできることが少なくなってきたことが気になっているけれど、施設で利用することはできるのだろうか。始めるにあたっては、何が必要なんだろう。

最近は以前に比べて、自費リハビリという言葉が知られるようになり、興味を持たれる方が増えてきたように感じます。
ここでは、自費リハビリの利用開始までの流れや費用についてお伝えします。

○自費リハビリとは

自費リハビリとは、その名の通り自費で受けられるリハビリ、つまり保険が適用されないリハビリのことを指し、保険外リハビリと呼ばれることもあります。

主な特徴としては、医療保険や介護保険といった保険内でのリハビリと違い、日数や時間の制限がないことが挙げられます。そのため、リハビリを必要としている人がそれぞれの状態や目的に合わせて必要な時に必要な分だけ受けることが可能です。

○自費リハビリの利用の流れ

自費リハビリのサービスを提供する事業者により異なりますが、ここでは一般的な例をご紹介します。

1. 問合せ・申込み

問合せ時に、リハビリを受ける人の情報を伝えます。

年齢や介護度、既往歴、現在の状態や要望(骨折して入院し1週間前に退院した、転倒が増えてきているので歩行をみてもらいたい、等)などを伝えられるようにしておくと安心です。

2. 体験

利用開始前に体験サービスを提供している事業者もあります。

実際にどんなことをするのか、ご本人が実際に体験してみることで開始後のイメージがわきます。

リハビリは数回の実施で終了ではなく継続していくことが多いため、楽しんで取り組めそうか、続けられそうかどうか、実際に体験してみて確認できるとよいでしょう。

ご家族が同席される場合は、リハビリのイメージを共有できることに加え、体験時のご本人の意欲やご様子を見て安堵されたり、がんばって取り組んでもらうための協力や応援する気持ちを持たれる方が多いようですので、可能な場合は同席されるとよいでしょう。

3. 評価(アセスメント)

理学療法士が直接ご本人の心身機能や状態、日常生活の活動性などを把握します。また、ご本人が現在困っていることや要望や目標についても詳しく聞いていきます。これを「評価(アセスメント)」といい、理学療法士がリハビリをするうえで必ず初めに行います。このアセスメントをもとに、リハビリプランを作成します。

評価(アセスメント)は、リハビリをスタートするにあたって、とても大切なプロセスです。

現在の状態や要望等についてご本人が直接伝えることが難しい場合は、ご家族や周囲の人が伝えるようにしましょう。

4. 費用の確認、契約

事業者では1回の時間による○分コース、という料金設定をしているところや、月額制やチケット制等、体系はさまざまです。

内容と料金体系、費用については、必ずよく確認をしてから契約をするようにしましょう。

自費リハビリの費用

自費リハビリ(保険外リハビリ)は全額自己負担となります。

一般的には、1時間あたりの料金が10,000円前後というのが相場となっています。(料金体系はサービス形態等によっても異なり、1時間あたり約8,000円~30,000円とさまざま存在します。)

保険内でのリハビリでは、自己負担割合(1割、2割、または3割)に応じた支払額となりますので、それらと比較すると高額ということになります。

自費リハビリは保険内でのリハビリより費用は高くなりますが、期間・頻度・内容についての自由度が高く、必要な時期に必要な量のリハビリを受けられることが特徴です。このように自由度の高いリハビリが、予防や生活の質の維持や安定、向上につなげるためにできる取組みだと考えると、“価値に見合う費用”と考えることもできるかもしれません。

○入居施設で自費リハビリを受ける場合

有料老人ホームなどの高齢者施設に入居する方の多くは、日常生活に何らかの支援を必要としています。特に「歩く」「立ち上がる」「食事をする」、また入浴や排せつといった基本的な動作をできるだけ自分で続けたいという思いは、多くの入居者やご家族に共通する願いです。

有料老人ホームや高齢者施設に入居していても、条件が整えば自費訪問リハビリは利用可能です。

まずは事業者に問合せをし、その際に施設の場所を伝え入居施設でサービスが受けられるかについて確認しましょう。また、施設のケアマネージャー等の担当者にも自費リハビリのサービスを施設内で受けたい旨を相談、確認することも大切です。

◎注目される自費リハビリ

自費リハビリは近年、受ける際の自由度、あるいは転倒などの予防や心身機能の維持を目的にしたリハビリということで興味を持たれる方が増えてきています。また、公的保険の枠組みでは思うようなリハビリを受けられない方の受け皿という点でも注目されています。

気になった方はぜひ、ネット検索等で自費リハビリのサービスを提供する事業者をさがしてみてください。