Column コラム

理学療法士ができること①:痛みの評価と改善

「腰が痛い」「肩がこる」「膝が痛くて歩きにくい」——このような痛みの悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
痛みは日常生活の質を大きく低下させます。仕事や家事に支障をきたすだけでなく、好きな趣味を諦めたり、外出が億劫になったりすることも。
そんな痛みの悩みに対して、理学療法士は専門的なアプローチで改善をサポートします。
この記事では、理学療法士が「痛み」に対してどのような評価と改善を行うのかを、わかりやすく解説します。

理学療法士の「痛みの見方」は医師とどう違う?

医師は、レントゲンやMRIなどの画像検査や血液検査などを用いて、痛みの「原因」を診断します。骨折や炎症、神経の圧迫など、医学的な病態を明らかにするのが医師の役割です。
一方、理学療法士は「なぜその痛みが起きているのか」を動作や姿勢、筋肉の状態から評価します。

たとえば、同じ「腰痛」でも、

  • 座り方に問題がある
  • 骨盤の動きが硬い
  • 腹筋や背筋のバランスが悪い
  • 股関節の柔軟性が低下している

など、人によって痛みの背景は異なります。
理学療法士は、身体の使い方や動きの癖を細かく観察し、「なぜ痛みが出ているのか」「どうすれば改善できるのか」を分析します。

理学療法士が行う痛みの評価

理学療法士は、以下のようなステップで痛みを評価します。

1.問診(お話を聞く)
痛みの「パターン」を知ることで、原因を絞り込んでいきます。

  • いつから痛いのか
  • どんな動作で痛みが出るのか
  • どんな時に楽になるのか
  • 日常生活でどんな困りごとがあるのか

2.姿勢・動作の観察
たとえば、腰痛の方が「前かがみになると痛い」という場合、実際にその動作をしてもらい、どの部分に負担がかかっているかを確認します。

  • 立ち姿勢や座り姿勢のチェック
  • 歩き方の観察
  • 痛みが出る動作の再現と分析

3.身体機能の評価
専門的な手技や測定器具を用いて、身体の状態を詳しく調べます。

  • 関節の動きの範囲(柔軟性)
  • 筋力の測定
  • 筋肉の硬さや緊張のチェック
  • バランス能力の確認

4.総合的な分析
これらの情報を統合して、「痛みの原因」と「改善のための方針」を導き出します。

○理学療法士が行う痛みの改善アプローチ

評価に基づいて、一人ひとりに合わせた改善プログラムを提供します。

1.運動療法
ストレッチ

  • 硬くなった筋肉をほぐす
  • 関節の動きを広げる
  • 血流を改善する

筋力トレーニング

  • 弱くなった筋肉を鍛える
  • 身体を支える力をつける
  • 姿勢を安定させる

バランス練習

  • 身体のバランスを整える
  • 転倒予防
  • 動作の安定性向上

2.物理療法

  • 温熱療法:温めて血流を良くし、痛みを和らげる
  • 気刺激:筋肉の緊張をほぐす、痛みを軽減する
  • 超音波療法:深部の組織にアプローチ

3.動作指導

  • 正しい姿勢の指導
  • 痛みが出にくい動き方の練習
  • 日常生活での工夫やアドバイス

たとえば、

  • 重いものを持つときの姿勢
  • パソコン作業時の座り方
  • 立ち上がり方や階段の昇り降りのコツ

4.セルフケアの指導
自宅でできるストレッチや運動を指導し、痛みの再発予防をサポートします。理学療法士との時間だけでなく、日常生活での取り組みが改善の鍵となります。


理学療法士のアプローチが有効な痛み
理学療法士は、以下のような痛みに対して効果的なアプローチを提供できます。

 ・腰痛(慢性腰痛、ぎっくり腰後など)
 ・肩こり・首の痛み
 ・膝の痛み(変形性膝関節症など)
 ・股関節の痛み
 ・四十肩・五十肩

スポーツ障害

  • ランナー膝
  • テニス肘
  • 捻挫後の痛み
  • 野球肩

手術後・ケガ後の痛み

  • 骨折後のリハビリ
  • 人工関節置換術後
  • 靱帯損傷後

慢性的な痛み

  • • 長年続く腰痛や肩こり
  • • 姿勢の悪さからくる痛み
  • • 加齢に伴う痛み

○「痛みをゼロにする」だけが目標ではない

理学療法士の役割は、ただ痛みを取り除くことだけではありません。

  ・痛みがあっても、やりたいことができる身体づくり
 ・痛みが再発しない身体の使い方を身につける
 ・将来的な痛みを予防する

これらも、理学療法士が目指す大切なゴールです。
つまり、CURE(治療)だけでなくCARE(ケア)の視点を持って、長期的に「より良く生きる」ことを支えます

○保険診療と自費リハビリ、どちらでも対応可能

理学療法士によるリハビリは、病院やクリニックでの保険診療で受けられるほか、自費リハビリでも受けることができます。

自費リハビリでは
 • 時間をかけてじっくり評価・施術
 • 一人ひとりに合わせたオーダーメイドプログラム
 • 予防や健康増進を目的とした利用も可能

参考記事:自費リハは違法ですか?で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

◎理学療法士に相談を

理学療法士は、痛みの原因を身体の動きや姿勢から評価し、運動療法や物理療法、動作指導を通じて改善をサポートする専門家です。
「痛みをゼロにする」だけでなく、「痛みと上手に付き合いながら、やりたいことができる身体をつくる」「痛みが再発しない身体づくり」も大切にしています。
もし慢性的な痛みや動作の悩みがあれば、ぜひ理学療法士にご相談ください。あなたの「より良く生きる」をサポートします。