Column コラム

介護予防とは~介護って予防できるの?~

あなたの「当たり前」は、いつまで続く?・・・朝起きて、自分で顔を洗う。自分で服を着替える。好きなものを食べて、好きな場所へ出かける。友人とおしゃべりを楽しむ。今、当たり前にできているこれらのことが、ある日突然できなくなる――。想像したことはありますか?

「まだまだ自分は元気だから大丈夫」「介護なんて、ずっと先の話」と思っている方も多いでしょう。でも実は、介護が必要な状態は、特別な病気や事故がなくても、誰にでも訪れる可能性があるのです。

○介護予防って、本当にできるの?

結論から言えば、介護は予防できます。
厚生労働省の定義によれば、介護予防とは「要介護状態になることをできる限り防ぎ、もし要介護状態になっても悪化を防ぎ、できる限り改善すること」です。
つまり、今元気な人は元気なままでいられるように、少し衰えを感じている人は元気な状態に戻れるように、そしてすでに介護が必要な人でもこれ以上悪くならないように――それが介護予防なのです。

○なぜ今、介護予防が必要なのか

あなたも「予備軍」かもしれない
現在、日本では80代前半の3人に1人、80代後半では2人に1人が介護を必要としています。そして、この数は年々増え続けています。2009年には約470万人だった要介護者が、2019年には約656万人に。わずか10年で約186万人も増加しているのです。
これは決して他人事ではありません。あなた自身、そしてあなたの大切な家族も、将来この数字の中に入る可能性があるのです。

○日本人の「健康寿命」

人生最後の9年間、あなたはどう過ごしたいですか?
日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳。でも、健康で自立した生活を送れる「健康寿命」は男性73歳、女性75歳です。

この差、約9~12年。これは何を意味しているのでしょう?
人生の最後の約10年間を、多くの人が介護を受けながら過ごしているということです。
朝、自分で起き上がれない。 トイレに一人で行けない。 好きな料理を自分で作れない。 友達と自由に会えない。
そのような生活を10年も続けることを、あなたは望むでしょうか・・・?

○介護と家族の負担

家族への負担を考えたことはあるでしょうか?
介護が必要になるのは、本人だけの問題ではありません。多くの場合、家族が介護を担うことになります。
仕事を辞めざるを得なくなる「介護離職」は年間約10万人。配偶者や子どもが、自分の人生を犠牲にして介護に専念する――そんなケースは珍しくありません。
「子どもに迷惑をかけたくない」 「最後まで自分の力で生きたい」そう思うのであれば、今から介護予防に取り組むべきなのです。

○社会全体の問題としての介護

介護が必要な人が増えれば増えるほど、医療費や介護費用も増大します。これは私たち全員が負担する社会保障費の問題です。
現在、介護保険制度を支えるために、働く世代が保険料を負担しています。要介護者が増え続ければ、この負担はどんどん重くなります。次世代に負担を押し付けないためにも、一人ひとりが介護予防に取り組むことは、社会的な責任とも言えるのです。

○今日からできる5つのこと

「介護予防が大切なのはわかった。でも、具体的に何をすればいいの?」
そう思われた方も多いでしょう。安心してください。介護予防は、決して難しいことではありません。

  1. 毎日30分、歩く 散歩、買い物、通勤――何でも構いません。歩くことは、筋力を維持する最も簡単な方法です。
  2. バランスの良い食事を心がける 特にタンパク質(肉、魚、卵、大豆)をしっかり摂りましょう。筋肉を作る材料になります。
  3. 人と会話する 友人とのおしゃべり、地域の集まりへの参加。人との交流は、心と脳の健康を保ちます。
  4. 年1回の健康診断を受ける 高血圧や糖尿病は、脳卒中や心疾患のリスクを高め、要介護状態の原因になります。
  5. 趣味を持つ 楽しみながら続けられることが、心身の健康につながります。

○「まだ早い」は、もう遅い

「介護予防なんて、もっと年を取ってから考えればいい」そう思っていませんか?実は、それが一番危険な考え方なのです。
体力や筋力は、40代から徐々に低下し始めます。60代、70代になってから慌てて運動を始めても、若い頃のようには回復しません。
元気な今だからこそ、介護予防が効果的なのです。
貯金と同じです。老後のために、若いうちからコツコツと貯めますよね。介護予防も同じ。健康という「貯金」を、今から少しずつ積み立てていくのです。

○あなたの未来は、今日の選択で変わる

階段を使うか、エレベーターを使うか。 歩いて行くか、車で行くか。 野菜を食べるか、食べないか。 人と会うか、家にこもるか。
毎日の小さな選択の積み重ねが、10年後、20年後のあなたを作ります

80歳になっても、自分の足で歩き、好きなところへ出かけ、美味しいものを食べ、友人と笑い合う。そんな未来を手に入れるのか、それとも介護ベッドの上で過ごす未来を選ぶのか。ー決めるのは、今のあなたです。

○地域のサポートを活用しよう

「一人では続けられる自信がない」という方も大丈夫です。
全国の自治体では、無料または低価格で参加できる介護予防教室、運動教室、栄養講座などを開催しています。お住まいの市区町村の「地域包括支援センター」に問い合わせれば、様々な情報が得られます。同じ目標を持つ仲間と一緒なら、楽しく続けやすくなります。

介護予防のための効果的な運動を、専門家である理学療法士からマンツーマンで指導してもらうーー自費リハビリでは、このようなことが可能です。
リハビリというと、怪我をした後などに整形クリニックで受けるものと思っている方も多いと思いますが、じつはそれ以外にも「健康寿命」を延ばすための「予防リハビリ」という重要な考え方があります。
これを叶えることができるのが、自費リハビリです。

◎今日から始める介護予防

介護予防は、「いつか」ではなく「今日」から始めるものです。

  • 毎日少しずつ体を動かす
  • バランスの良い食事を心がける
  • 人との交流を大切にする
  • 定期的に健康チェックを受ける

これらは、特別なことではありません。日常生活の中で、少し意識するだけでできることばかりです。
あなたの人生の最後の10年を、笑顔で過ごすのか、介護ベッドの上で過ごすのか。
その分かれ道は、今日のあなたの選択にかかっています。
さあ、今日から介護予防を始めませんか? あなたの未来は、あなた自身が創るのです。